【初心者向け】旅館業の“許可申請”と民泊の“届出申請”の違いは?比較と判断のポイント
民泊

宿泊事業をスタートさせる際、まず直面するのが「旅館業許可」を取るか、それとも「民泊届出(住宅宿泊事業法)」で行うかという選択です。
どちらを選ぶかによって、営業できる日数や申請の難易度、そして最終的な収益性が大きく変わります。本記事では、それぞれの申請手順や所要期間、メリット・デメリットを詳しく解説します。
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目次
事前の確認事項
用途地域・特別用途地区の確認
住居専用地域に当たる場合は旅館業が営業ができません。用途地域がどこに当たるかを確認し、各自治体のサイトから、独自の制限があるかを確認しましょう。
関係法令の確認
建築基準法・消防法の適法を確認し、想定外の大きな工事や改修が発生する可能性はないかをあらかじめ確認しましょう。
管理規約・賃貸借契約の確認
マンションなら管理規約で禁止されていないか、賃貸ならオーナーの承諾があるか確認しましょう。
旅館業許可申請の手順

旅館業(ホテル・旅館・簡易宿所)を行う場合は、保健所の「許可」が必要となります。
許可証の交付までは、期間は一般的に3~6ヶ月程度を見込むとよいでしょう。(※自治体や申請時期によって異なります)
1. 行政相談(保健所・消防署など)
物件図面や現地の写真などの資料を持参し、保健所、消防署、(都市計画課、建築指導課など)の行政窓口と協議します。
施設から約110m以内に学校や児童福祉施設等がある場合、教育委員会等への意見照会を行う「学校等照会」という手続きが必要になり、これには1ヶ月以上の期間を要する場合があります。
2. 設備工事・消防検査
要件を満たすためのリフォームや、自動火災報知設備・誘導灯などの消防設備工事を行います。 工事完了後、消防署の検査を受け「消防法令適合通知書」を取得します。
3. 標識設置・近隣への周知
申請の前に、計画を知らせる標識を現地に掲示します。
自治体の条例によっては、近隣住民への説明会や書類配布が必要となる場合があります。
4. 許可申請
保健所へ申請書類を提出します。
■主な提出書類
- 申請書
- 図面
- 消防法令適合通知書
- 水質検査成績書(簡易宿所等)
- 各種誓約書
※必要書類は自治体によって異なるため、必ず管轄の保健所へ事前確認を行いましょう。
5. 保健所の立入検査
保健所の職員が現地を訪問し、申請図面通りか、設備基準を満たしているかを検査します。
6. 許可証の交付
審査を通過すると許可証が交付され、ようやく営業が開始できます。
民泊(住宅宿泊事業法)届出申請の手順

民泊新法(住宅宿泊事業法)に基づく場合は、オンラインシステムを中心とした「届出」で完結します。期間は一般的に2ヶ月程度(※自治体や申請時期によって異なります。)と、旅館業法に比べて手軽に行うことができますが、年間の運営日数には180日以内の制限があります。
1. 消防法令適合通知書の取得
管轄の消防署に相談し、必要な消防設備(誘導灯や自動火災報知設備など)を設置した後、検査を受けて「消防法令適合通知書」を入手します。自治体によっては、保健所への事前相談や、廃棄物処理に関する確認が必要となる場合もあります。
2. 近隣住民への事前周知
多くの自治体で、届出前に、ポスティング・書面通知・説明会などによる周知が義務付けられています。
3. 住宅宿泊管理業者の選定(家主不在型の場合)
家主不在型民泊の場合は、住宅宿泊管理業者へ管理を委託することが義務付けられています。
そのため、「住宅宿泊管理業者と管理委託契約を締結する」もしくは「自ら住宅宿泊管理業者として登録する」といういずれかの対応が必要です。
■自ら登録する場合
住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊管理業者の登録には、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
- 不動産取引または管理について2年以上の実務経験
- 「宅地建物取引士資格」「管理業務主任者」「賃貸不動産経営管理士」いずれかの保有
- 登録実務講習の修了
登録には複雑な書類準備が必要となり、申請から登録完了まで約1~3ヶ月程度かかるケースもあります。(最近ではそれ以上の期間を要するケースも増えてきています。)
そのため、実務上は登録済みで運営実績のある代行業者へ委託するケースが一般的です。
特に初心者の方は副業・投資目的の方は、管理体制やトラブル対応の観点からも、専門の代行業者の活用をおすすめします。
4. 届出書類の準備
■主な必要書類
- 住宅の登記事項証明書
- 住宅の図面
- 消防法令適合通知書
- 消防法令適合通知書
- 欠格事由に該当しないことを誓約する書面
- 住宅宿泊管理業者との管理受託契約の写し・身分証明書(法人の場合は定款、登記事項証明書、役員の身分証明書)など
- 賃貸人の承諾書
- 管理規約の写し
※必要書類は自治体によって異なるため、必ず管轄の保健所へ事前確認を行いましょう。
5. 届出
「民泊制度運営システム」を利用し、原則オンラインで必要事項を入力・書類をアップロードして提出します。
6. 審査・受理
不備がなければ受理され、届出番号が通知されます。
自治体によっては受理の前後に保健所の立入検査が入ることもあります。
7. 標識の掲示・営業開始
届出番号が記載された標識を、玄関など見やすい場所に掲示します。
標識掲示をもって営業開始が可能となります。
旅館業・民泊新法の主な違い
| 旅館業許可(簡易宿所) | 民泊届出(新法民泊) | |
|---|---|---|
| 主な窓口 | 保健所(対面申請が基本) | 民泊制度運営システム(オンライン) |
| 建築・用途 | 建築・用途 建築基準法の「旅館・ホテル」への適合が必要(用途変更が必要な場合あり) | 住宅として扱われるため、用途変更は原則不要 |
| 消防 | 消防法令適合通知書が必要 | 消防法令適合通知書が必要 |
| 審査期間 | 3~6ヶ月程度(自治体や申請時期によって異なる) | 2ヶ月程度(自治体や申請時期によって異なる) |
「民泊」「旅館業」どちらにするべき?
旅館業は、手続きや工事に時間と費用がかかる一方で、年間を通して営業できるという大きな強みがあります。
一方で、年間180日以内の運営でも、十分に利益を確保できるケースも数多く存在します。
その物件でどのような運営が可能か・どのような戦略での運営することができるかを判断することが大切です。
行政確認と収支シミュレーションを十分に行い、物件ごとに最適な選択を行いましょう。
筆者
ユウカツ 管理者
ユウカツ運営母体であるニューオ株式会社は、2018年創業。 民泊・レンタルスペースに特化した不動産仲介の先駆的存在として、累計4,000件以上の仲介実績と100室超の民泊運営代行実績を持つ。 独自ルートによる物件取得と、自社での運営実績により培った「収益化できる物件選び」の知見を強みに、2024年に物件検索&コミュニティ「ユウカツ」を立ち上げ。 月200件以上の物件情報の配信に加え、業界を牽引するオピニオンリーダー「ユウカツクルー」と連携をしたセミナーや交流会を毎月実施中。 宅地建物取引業 東京都知事免許 (2) 第102629号 / 住宅宿泊管理業 国土交通大臣(01)第 F03000 号
